ライフプラン

ライフプランから適正な住宅予算を考える

ファイナンシャルプランナー(FP)の久保逸郎です。
FPとして独立した頃に、福岡市内の住宅展示場で来訪者の相談を受けたり、住宅ローンセミナーをしていたことがあります。
その当時によく聞かれた質問が、「私達いくらまで借りられますか?」と借入可能額を尋ねてくるものでした。

肝心のライフプランの検討作業が抜けている

世帯年収と年齢などを教えてもらえば「この程度」と答えられる質問なので、それほど対応は難しくないのですが、そこで日々感じていたことが住宅ローンを目一杯借りてしまうことのリスクです。
なぜならその時点の世帯年収で借入可能額はわかるものの、そこには子供の人数とか、または子供が産まれてから妻が働き続けることができるか等、家族の属性やライフプランに関する要素は何も含まれていないから。

例えば子供がいない世帯であれば、教育費の心配はいりません。
しかし、子供が一人いれば約1000万、二人だと2000万、三人いたら3000万といったように教育費が必要になってきます。
(あくまでもイメージです。実際の教育費は進学先等によって異なります)

夫婦が収入合算をして住宅ローンを目一杯借りたとして、将来どちらかが育児や介護などで働くことができなくなったりしたら、支払いが厳しくなってくる可能性があります。
育児による短時間勤務で収入が下がってしまうことも考えられます。
本来はそのような世帯ごとの状況を十分に考慮して、適正な住宅購入予算を考えていかなくてはいけないのですが、肝心のライフプランの検討作業が抜けているケースが少なくありませんでした。

住宅ローンの借入可能額と返せる金額は違う

住宅展示場を見学して回っていると、それぞれのハウスメーカーがイチ押ししている夢のような物件が並んでいます。
また、住宅というのは一つ一つ良質な材料を選んだりすれば、あっという間に積みあがって高額になってしまうものです。
そのため「手が届くのかな?」「私達はどこまで借りられるかな?」という気持ちになることは十分に理解できますが、住宅ローンの借入可能額と返せる金額は違います。

しかし、残念ながら現状の住宅ローンの審査では、それぞれのライフプランに関することは考慮されていないのです。
だからこそ住宅ローンの借入可能額と返せる金額は違うことを念頭に、しっかりとライフプランを踏まえた予算の検討から行ってもらいたいものです。

ライフプラン相談の相手を間違えてはいけない

そのライフプラン相談ですが、相談相手を間違えてはいけません。
ハウスメーカーはより高い価格の住宅を建ててもらったほうが売上は上がりますし、通常は担当者の成績として反映されます。
なるべく高い住宅を建ててもらいたい立場にいます。

また、最近はハウスメーカーお抱えの保険営業マンなどにライフプラン作成を頼んでいるケースも見かけますが、彼らは保険の見込み客の獲得のためにハウスメーカーに営業や提携を仕掛けてそのような仕事をしていることが多く、「予算的に厳しいので価格を下げましょう」「この計画は厳しいですね」などとは通常は言うことができません。
実際に見通しの甘いライフプランを作って成約の手助けをしているケースをよく見かけます。

ファイナンシャルプランナー(FP)を名乗っていることも多く、中立な立場でアドバイスをしてくれているように見えるかもしれませんが、あくまでも彼らはハウスメーカーの販売支援を行っている立場だということを認識しましょう。

住宅ローンを組む銀行等も、貸付限度額などの問題が無ければ、より高い住宅ローンを組んでもらうほうが担当者の成績が上がって嬉しいものです。
このような関係者に相談をしても、客観的なアドバイスがもらえないことはわかりますよね。

第三者の専門家から適切なアドバイスを受けることが理想

そのため理想的には有料相談を申し込んで、利害関係から離れた立場にいる専門家とライフプランを考え、客観的なアドバイスをもらうほうが良いと思います。
日頃からライフプラン相談に慣れている人に頼めば、豊富な相談経験に基づいた適切なアドバイスをもらうことができるはずです。

専門家を見つけられなかったり、どうしても無料で済ませたい場合は、住宅金融支援機構などの相談会に参加をしてみてもいいと思います。
これは私が日頃から感じていることですが、民間の金融機関など比べてそれほど数字(目標)に追われているようなことはないので、客観性のあるアドバイスをもらえるのではないでしょうか。

自分で行う場合は簡単な試算になりますが、住宅金融支援機構のホームページには住宅取得のための資金計画をはじめ、毎月の家計収支や将来のライフイベントを踏まえたキャッシュフローなどを試算できる資金計画シミュレーションもあります。
このようなサービスを使って、しっかりと資金計画を練ってもらいたいですね。

【住宅金融支援機構】
資金計画シミュレーション
http://www.simulation.jhf.go.jp/type/simulation/sikinkeikaku/openPage.do

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老後のお金の不安解消アドバイザー(ファイナンシャルプランナー) 愛知県名古屋市生まれ 福岡県春日市在住 老後のお金の不安を解消する、ライフプランと資産運用&資産管理の専門家 「90歳まで安心のライフプラン」を合言葉にして、豊かな人生の実現に向けたライフプラン作りの支援を行っている。 独立から約16年にわたり相談業務を中心に実務派ファイナンシャルプランナーとして活動する傍ら、ライフプランや資産運用などのお金のことについて年間100回近い講演や、マネー雑誌やコラム等の原稿執筆を行うなど幅広く活動をしている。
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