不動産市況

福岡のマンション価格は90年バブル並み

ファイナンシャルプランナー(FP)の久保逸郎です。

先週25日に福岡商工会議所で開催された「金融情勢の変化がもたらす不動産市場への影響-最新の市場動向と対応策-」という講演を聞きに行ってきたので、そこで聞いた内容をまとめてお伝えしたいと思います(事業者向けの部分は省きます)。
講師は不動産市況アナリストの幸田昌則氏。
リクルートが発行の「住宅情報」誌の創刊責任者を三大都市で歴任された方で、予測の的確さで定評があり、この分野では第一人者といえる方です。
数年前にも講演を聞いたことがあるのですが、データに基づいた市況分析は大変勉強になったので、今回も楽しみにしていました。

金融によって作られた3回目のバブル

その幸田氏によれば「今回は3回目のバブル」ということです。
1回目がご存じの平成バブル、2回目が2000代前半から半ばまでのミニバブル、そして今回のバブルが3回目です。
取引量のピークが2013年、価格のピークは2015年秋や2016年1月あたりで、今年の5月あたりから風向きが変わってきており、ピークは過ぎた感があるようです。
首都圏ではマンションの売れ残りが出て、値引きをするケースが増えてきているとのこと。

しかし、全国的にはピークは過ぎてきた様子がうかがえる中で、福岡市は値段が上がっていて、福岡市のマンション価格は90年バブル並みの水準になってしまっているということでした。

マンションの狭さで東京を抜いて日本一

そしてなんとマンション(単身者向けは除く)の狭さでは、福岡が東京を抜いて日本一になってしまったとのこと。
これはマンション開発業者が不動産価格上昇分のコストを価格に反映できないので、1戸あたりの面積を狭くした結果ということです。

幸田氏はこのような福岡市の状況を日本で唯一バブルが残っている」と表現していました。
通常は市況についてははっきりと表現はしにくいものですが、「間違いなくバブル」と言われていたのは印象的でした。
それだけ確信を持っているということでしょう。

若いファミリー世帯の郊外シフト

このような状況なので所得の少ない若い人は、価格の低下傾向が見られる郊外の中古の戸建てを買い出しているそうです。
また、郊外の中古マンションの価格については低下傾向にあるそうです。

私も子供がいて広いスペースを必要とする世帯にとっては、このように郊外の戸建てを選ぶのは良い選択肢になってくると考えています。
年々空き家も増えていますし、若いファミリー世帯を呼び込むためにさまざまな支援策を打ち出してきている自治体が増えてきていますから、賃貸に住むことを含めて、今後の一つの流れになるかもしれませんね。

福岡の貸家の建築は異常なレベル

また、貸家についても「福岡の貸家の建築は異常なレベル」と言われていました。
すでに空室率では全国平均を上回っている福岡市ですが、アパート空室率はさらに上昇をしており、家賃(平均値)は少しずつ低下しているそうです。
そのため利回りが低下して投資魅力が落ちてきているようで、また、金融機関の融資姿勢も下がり始めているそうです。
「投資・相続の需要は一巡し、減速へ」という見出しが資料に書かれていました。

高値圏の今はマンションの買い時ではない

ここ数年ずっとセミナーや、相談に来られるお客様に対するアドバイスで言い続けていることですが、「高値圏の今は住宅の買い時ではない」「売却を考えている場合は早めに」ということで間違いはなかったようで安心しました。

教育資金・住宅資金・老後資金は「人生の3大支出」と言いますからね。
価格が高いタイミングで購入して住宅資金に多く振り向けてしまうと、通常は残りの2つ(教育資金と老後資金)に支障が出てくるものです。

今後は銀行のスタンス次第

今後の市場動向については、やはり金融機関次第のようです。
全国的にピークを過ぎている中で、福岡だけがこのようにバブルが続いている背景には、他の地域よりも銀行間の競争が厳しいことがあると思います。
不動産市況というのは長期的には需給関係の影響が大きいものですが、短期的には金融機関、はっきりと言ってしまえば銀行のスタンスで変わってくるものだからです。
日本銀行が行っているマイナス金利の影響で、貸出を増やさざるをえない銀行が不動産融資に積極的に向かってしまった背景があり、この点については金融庁も危機感を強めています。
この日は福岡や熊本などの銀行関係者も多数参加されていましたので、これからスタンスが変わってくるのか見守りたいと考えています。

マンション開発業者は在庫を抱えてしまうと資金が回りません。
そのためこのような市況の中でも、「消費税が上がる前に買いましょう」「マイナス金利で金利が低いうちに」などといったセールストークで購入を迫ってきます。
購入を検討している皆さんは、そのようなセールストークに安易に乗らないで、冷静に判断をしてくださいね。

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老後のお金の不安解消アドバイザー(ファイナンシャルプランナー) 愛知県名古屋市生まれ 福岡県春日市在住 老後のお金の不安を解消する、ライフプランと資産運用&資産管理の専門家 「90歳まで安心のライフプラン」を合言葉にして、豊かな人生の実現に向けたライフプラン作りの支援を行っている。 独立から約16年にわたり相談業務を中心に実務派ファイナンシャルプランナーとして活動する傍ら、ライフプランや資産運用などのお金のことについて年間100回近い講演や、マネー雑誌やコラム等の原稿執筆を行うなど幅広く活動をしている。
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コメント

    • 束野 浩
    • 2017年 10月 30日

    この数年住宅ローンや購入の相談の業務では最近の不動産価格の高騰には少し驚いています。特に福岡市中心の地下鉄沿線と大牟田線沿線は目をみはるばかりです。相談者が住宅を購入したいと相談に乗っていますが、金融機関もよくこのような人に貸すものだと半分呆れてしまいます。福岡の昭和50年代前半の団地では空き家がだんだん増えているので心配ですね。年齢35歳で35年ローンを組み、ファイナンシャル・プランナーとしても夢は叶えてあげるのが使命とはいえ、借りる人、貸す銀行、大丈夫なんでしょうかね。

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